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庭づくりブログ
農園を歩く、今回はVol2をご紹介していきます!
前回がまだの方はこちらから(農園を歩くVol1)ご覧ください。
山に植える苗木づくりの現場へ

―― さて、社員さんの皆さんは普段、この場所を「農園」と呼ばれているんですか?それとも「山」とか?
そうですね。「山」って言い方もしますね。
こちらのハウスでは「山行苗(やまゆきなえ)」を作っています。
―― 山行苗。
はい。いわゆる山に植えるための苗木ですね。
うちは主にクヌギとコナラを育てています。
―― なるほど。昔からこの種類なんですか?
昔はスギやヒノキがメインでした。
ただ、造園業の方へ重点が移っていったので、苗木業は少し規模を縮小しました。
今は逆に、クヌギ・コナラを中心に、下草類や庭づくりに使う植物、それからお正月用の縁起物、千両(センリョウ)なんかも作っています。

―― 千両。色がすごく綺麗ですね。
ですね。
庭をつくるときに植える下草や小さな木を、必要な分だけ育てています。
ハウスの中へ
―― 中に入っても大丈夫ですか?
どうぞ。
―― 失礼します。入った瞬間、暖かいですね。

ハウスなのである程度は暖かいですね。
とはいえ真冬はここも結構寒いですよ。
―― へぇ、ハウスでも寒いんですね。
はい。
ここには地被植物や苗木を置いています。
―― 一般の方が「少し欲しい」と相談することもできますか?
対応できないことはないですが、基本は自分たちが使うために作っています。
―― 種類はどれくらいありますか?
数えたことはないですが、30〜40種類くらいですね。

クヌギ・コナラの苗づくり
―― 二つ目のハウスが、クヌギとコナラですね。
はい。今一番多く作っているのがこの2種類です。
―― 社員さんが植えているところですね。少しお邪魔します。

―― 今はポットで育てている段階ですか?
中にフィルターを入れてから植えています。
―― これがクヌギの種ですか?

そうです。種をまず水につけておきます。
―― 水に浸ける理由は?
酸素不足を防ぐために循環させながら管理します。
それと、
・発芽率を上げる
・虫を防ぐ
・浮いた種を選別する
という目的があります。
軽い種は水に浮くので、発芽しにくいものを見分けられるんです。
―― なるほど、選別も兼ねているんですね。
はい。
この苗木は主に種苗関係の組合から依頼を受けて生産しています。
―― 年間の生産量も決まっている?
そうですね。
それに加えて、種が多く取れた年は自社分として増やすこともあります。
苗木が育つ流れ
―― 種を植えて、芽が出たら出荷ですか?
いえ、まず外に出して一年育てます。
太らせてから翌年に出荷ですね。
―― つまりここは“春まで待つ場所”。
そういうことです。
農園の奥へ
―― まだ奥があるんですね。ちょっとドキドキします。
ここからは昔の植木の名残ですね。
ウバメガシ、サザンカ、モミジ、マキなどがそのまま残っています。
―― 昔は需要があった庭木なんですね。
そうですね。当時は人気でした。
今は需要が減って、自然林のような状態になっています。
―― 西条の山でも同じような自然林は見られますか?
実は愛媛の山は杉・ヒノキの人工林が多くて、自然林はあまり残っていません。
石鎚国定公園のような指定地域には残っていますね。
徳島や高知の山の方が自然林は多いです。
四国の山と熊の話
―― 四国に熊がいるという話もありますよね。
徳島や高知の山奥にはいると言われています。
数は少なくて貴重な個体ですね。
自然林が残っている地域には、餌になる実や植物がある。
だから生き残っているんじゃないかと思います。
―― 会ってみたいけど、遭遇はしたくないですね。
安全な距離からなら(笑)。
北側エリアへ
―― 次は農園の北側ですね。
こちらも昔の庭木が大きくなった場所です。
春になると、芽が出たクヌギ・コナラを外に出してここで育てます。

(令和7年10月頃の様子)
クヌギは注文生産に近い形。
コナラは自社判断で増やしている分もあります。
クヌギとコナラの違い
―― この2種類の違いは?
一番分かりやすいのは種ですね。
・クヌギ:丸くて大きい、成長が早い
・コナラ:細長い、成長はややゆっくり
庭木としてはコナラの方が使われることが多いです。
いわゆる「雑木の庭」のイメージですね。
春の柔らかい黄緑の新芽が魅力です。
ただ、山行苗は庭木とは目的が違い、山で大きく育つことを前提にしています。
季節の風景
―― 梅の花も咲き始めていますね。

梅は基本白花です。
梅干しになる実梅は白が多いですね。
色の濃いピンクは観賞用の花梅が多いです。
―― 春を感じますね。
奥にはヤマザクラやブナもあります。
竹やぶでは春にタケノコも採れますよ。
これからの農園
―― 最後に、農園をこれからどうしていきたいですか?
まずは今作っている苗木の技術をもっと高めて、
しっかりした山行苗を作り続けたいですね。
そして、この広い農園の規模を活かして、
将来的に何か新しいことができたらと思っています。
―― 庭木の需要が変わる中で、新しい可能性を探していく。
そうですね。
何かしら次の形を見つけていけたらいいなと思っています。
―― 本日はありがとうございました。
ありがとうございました。

